勤務先のパチンコ店に共犯者を招き入れ、虚偽の強盗被害を演じて現金約2800万円を盗むなどしたとして、福島県警は19日、同県会津美里町のパチンコ店員、真鍋一皐(いっさ)容疑者(23)を窃盗と建造物侵入容疑で逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。
この事件では、宮城県多賀城市のアルバイト、村山廉容疑者(21)が運転手役として、福島県桑折町の専門学校生の少年(19)が実行役として、ともに強盗容疑で13日までに逮捕されている。捜査関係者によると、2人は東京都内に現金を運び別人に受け渡しているといい、県警は指示役がいる組織的犯行の可能性が高いとみて調べている。
県警によると、真鍋容疑者は12日午前1時50分ごろ、実行役の少年から拳銃で脅されたふりをして、自身が勤務する同県会津若松市一箕町のパチンコ店「ビックつばめ会津若松店」の店内にともに入り、金庫から現金約2800万円を盗んだ疑いがある。
真鍋容疑者は同僚と店を施錠した後、帰宅途中に少年と落ち合って戻り、店外で襲われたふりをしたという。防犯カメラには、拳銃のようなものを突きつけられている姿が映っており、自身が店から警察署に電話をかけ、強盗被害にあったと通報していた。
真鍋容疑者と2人の容疑者は知人ではなかったといい、別々に犯行グループに誘われた可能性がある。
一方、少年と村山容疑者は犯行後、その日のうちに現金を都内に運び、別人に受け渡しているという。
県警によると、少年と村山容疑者は、拳銃がおもちゃだったことを認めているという。