Smiley face
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聖火ランナーを務めたことをきっかけにSNSで非難のメッセージを受けていることを明らかにしたドラァグクイーンのミニマ・ジェステさん(右)=2024年8月1日、パリ、宋光祐撮影
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 パリ五輪の開会式や聖火リレーに参加したフランスの性的少数者らが、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷にさらされる事態が続いている。攻撃の標的になっている同性愛者の一人は「憎悪に自分が壊される」と悲痛な思いを漏らす。開会式の芸術監督で、自身も同性愛者であることを公表しているトマ・ジョリー氏も脅迫などの被害を受けていることが明らかになった。

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 7月26日の開会式では、後半の一部の演出で派手な衣装やメイクで女装した「ドラァグクイーン」や性的少数者のDJ、歌手らが登場した。ただ、その場面がレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐(ばんさん)」をパロディー化してキリスト教を揶揄(やゆ)したなどと一部で受けとめられ、仏国内外の右翼政治家やカトリック関係者の反発を招いた。

 ジョリー氏はこれまでに問題視された場面について「『最後の晩餐(ばんさん)』から着想を得ていない」とキリスト教との関連を否定しているが、その後も米国のトランプ前大統領がテレビ番組で「恥だ」と批判するなど波紋は収まっていない。

 仏メディアによると、ジョリー氏にはSNS上で誹謗中傷や差別的な投稿が続いていて、検察当局が被害の届け出を受けて今月2日に捜査を始めた。

 問題視された場面の出演者の中では、DJのバルバラ・ブッチさんが同様の被害を受けていることを公表。仏紙ルモンドによると、同じく開会式に出たドラァグクイーンのニッキー・ドールさんも、自らへの中傷をしたとして、仏国内や英国のSNS利用者らを告訴したという。

中傷の標的になっているドラァグクイーンは

 五輪の開催都市であるパリ市…

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