買うのは少なく、作るものはより良く――。そんなモットーを掲げるファッションブランドがある。しかも、「ファッションの都」と呼ばれるフランス・パリの中心に。「サステイナブル(持続可能な)ファッション」は可能なのかを追求し、その限界にも向き合っている「LOOM」のトップに話を聞いた。
店の中には、丁寧にたたまれた無地のTシャツと靴下が並び、壁には「妥協のないファッション」というフランス語の文字。華やかな広告やセールの札はない。流行とは無縁の空間で、シンプルな服そのものに目が向く。
「ファッション業界の最大の問題は過剰生産と過剰消費です」
最高経営責任者(CEO)、ジュリア・フォールさん(37)はそう語る。
きっかけはバングラデシュで起きた事故
国連貿易開発会議(UNCT…