線路や車両の保守作業に多くの人手をかけてきたJR各社が、現場の省力化を急いでいる。広大な線路網を抱える一方で、熟練作業員は高齢化し、労働力不足が顕在化しつつあるからだ。高所、夜間作業にロボットやAI(人工知能)を活用し、「労働集約型産業」からの脱却を図る。
アニメから飛び出てきたようなヒト型ロボットが、腕に装着したチェーンソーで線路脇に茂る高い樹木の枝を伐採していく。遠隔操作するオペレーターのVRゴーグルにはロボットの視界と同じ映像が映し出され、操縦桿(かん)を通じてロボットの腕にかかる力が伝わってくる。
JR西日本がロボットベンチャー企業などと共同開発し、昨年7月から現場作業に導入した「多機能鉄道重機」だ。
ロボットは道路と線路の両方…