大森美希さん=本人提供

 仏パリ在住のファッションデザイナー大森美希さん(53)が、ランバンのデザインコンサルタントとして新作ドレスなどの制作に奮闘している。ランバンは昨年トップデザイナーにあたるアーティスティックディレクターが交代。大森さんは今年1月、新体制で初のランウェーショーとなった2025年秋冬コレクションでも活躍した。一方、久々に戻ったメゾンのデザインの現場では、雇用形態の変化が気になったという。

 大森さんは宇都宮市出身。文化服装学院を卒業後、服飾学校の教員を経て2000年に渡仏した。その後バレンシアガ、ランバン、ニナリッチ、コーチと、著名ブランドのデザイン部門を渡り歩き、21年9月から米パーソンズ美術大学パリ校で修士課程で教壇に立ち、現在はアソシエイトプログラムディレクターという肩書を持つ。

 つまり現在は教員であり現役デザイナーという「二足のわらじ」の日々だ。

 きっかけは昨年9月にランバンが新アーティスティックディレクターにピーター・コッピングを迎えたこと。コッピングは以前ニナリッチでクリエーティブディレクターを務めており、2人は11年4月から14年10月まで共に働いていた。

 また、大森さんは華麗なデザインで知られた故アルベール・エルバスが率いていた06年11月から11年3月まで、ランバンのデザインチームに在籍経験があり、メゾンの歴史にも詳しい。

 そんな経緯でランバンから「週2回勤務で、主に女性もののドレスを担当してほしい」と依頼された。大森さんも「教員の仕事にもやりがいと使命感があり、専業でないほうがありがたい」と引き受けた。

「ブランドは人材育てず、使い捨てる時代に……」

 コッピング体制でのランバン…

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