SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長による記者会見を受け、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の金光修社長が17日夕、東京都内で報道陣の取材に応じた。北尾氏が経営体制の見直しなどを求めたことに関して「建設的提案には敵対せず、検討しながら考えをまとめる」と前向きな姿勢を示した。
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FMHは、6月の株主総会に向けて提案している人事案で、金光社長は代表権のない会長に退き、フジテレビの清水賢治社長がFMHの社長を兼ねることを発表している。だが、北尾氏は金光社長が同社に残ることなどに難色を示した。
金光社長は「(発表した3月の)その時点で、旧来の長きにわたる体制から離れて新たな体制を組むという目的でありましたので、最善の役員案を出したつもり」と言及しつつ、「さらに検討を加えてより良い案を出していきたい」と述べた。
北尾氏は2005年、堀江貴文氏のライブドアによる、当時フジの親会社だったニッポン放送の買収問題で、窮地に陥ったフジの「ホワイトナイト」(友好的な買収者)として登場した人物だ。その北尾氏が17日の会見で、フジ側が敵対した場合、「徹底的に勝負する。反省の念もなく、まともな良識に対して対抗するなら、いつでも受けて立つ。(FMH株を)5%くらい買うのはわけない」とすごんだ。
一方で、金光社長は「ニッポン放送株の騒動があった際、会社の方向とは違う方向に進んでいた時に、我々の目指す方向に修正してくださった。当時、私はBSフジの編成の人間でしたが、ありがたかったと今でも覚えている。にもかかわらず、今回このような不祥事を起こしてしまったことに関しては、本当におわび申し上げたい」と謝意を示した。
また、「北尾さんが建設的に前向きに提案されていることに関しては、敵対する立場ではなく、一つ一つ検討しながら、我々の考え方をまとめていきたい」と述べた。北尾氏が不動産事業の分離を求めたことについては、「今の段階では、どうこうするつもりはない」としつつも、「重要な経営課題で、検討課題の一つに入る」と語った。
米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが示した、新たな取締役候補の中には、旧ジャニーズ事務所の業務を引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT」の福田淳社長が入っている。この点を問われた金光社長は「個々の人に対する論評は、控えさせてもらいたいんですが、我々の業界に近い方だという認識は持っている」と述べるにとどまった。