入院先のローマ市内の病院にある礼拝堂でミサに参加するローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇=2025年3月16日、バチカン報道室提供

 ローマ教皇庁(バチカン)は16日、肺炎で入院中のフランシスコ教皇(88)が病院内の礼拝堂でミサに参加する姿の写真を公開した。2月14日に入院して以来、バチカンが教皇の写真を公開するのは初めて。16日の祈りに寄せたメッセージでは、教皇は自らが「試練の時」にあると述べた。

 バチカンによると、フランシスコ教皇は16日午前、入院先のローマ市内の病院の10階の礼拝堂で行われたミサに参加した。公開された写真には、十字架と聖書の置かれた祭壇の前で車いすに座る教皇の姿が収められている。ただ、斜め後ろから撮影されているため、横顔がかすかに見える程度で、表情は分からない。

 教皇は2月14日に気管支炎の治療のため入院した後、同月18日に両肺の肺炎の発症を診断された。今月13日には在位12年を迎えたが、就任以来4度目となる今回の入院は1カ月を超え、最長となっている。容体は危険な状態を脱して快方に向かっているとされるが、退院の見通しは立っていない。

 16日は日曜だったため、バチカンは正午の恒例の祈りに合わせて教皇のメッセージを発表した。教皇は「試練の時に直面している」とした上で、自らの状態について「弱っている」と述べた。さらに、教皇の回復のために祈っている人たちに向けて「感謝する」としている。

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