パリで2025年8月25日、記者会見を開くフランスのバイル首相=ロイター

 フランスのバイル内閣が崩壊の危機に直面している。バイル首相は25日、来月8日に国民議会(下院)で内閣に対する信任投票の実施を発表。緊縮型の来年の予算案に反発する野党の右翼や左派勢力が反対票を投じると相次いで表明し、内閣総辞職の可能性が急浮上している。

 フランスでは9月下旬に議会が開会し、2026年予算案の審議が始まる。バイル氏は年金支給額の据え置きや祝日の一部廃止などによる約440億ユーロ(約7兆6千億円)の予算削減を目指しており、25日の会見で「我々は過剰債務の瀬戸際にある」と財政再建に理解を求めた。その上で、9月8日に臨時招集する下院で、内閣の信任投票の実施を表明した。

 政党単位で下院(定数577)の最大勢力となる123議席の右翼「国民連合(RN)」のバルデラ党首は「国民を苦しめる選択をする政府を信任することは絶対にない」と宣言。政権に協調する姿勢を取ってきた中道左派の社会党も信任への反対を表明した。

 RNと左派が同調すれば内閣…

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