フランス大統領府は23日、バイル首相(73)率いる新内閣の閣僚人事を発表した。下院で最大勢力を持つ左派連合からの入閣はなく、バイル氏は不信任を受けて早期退陣したバルニエ前首相と同様に少数与党による政権運営を迫られる。左派と右翼は反発を強めており、新内閣も短命に終わる可能性がある。
バイル氏は組閣にあたって、左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」を主導する左翼「不服従のフランス(LFI)」と、極右の流れをくむ右翼「国民連合(RN)」を協議から排除。右派の共和党や、社会党などNFP内の穏健な左派政党に連立を呼びかけることで、下院で不信任を避けられるだけの多数派を作ることを目指した。
しかし社会党は、協力条件として年金改革の凍結などマクロン大統領が進めてきた政策の修正を要求。交渉で折り合いがつかず、バイル氏が目指した左右両派に幅広くまたがる連立政権は実現しなかった。
新内閣は、62年ぶりとなる…