フランス国民議会選の決選投票日を迎えた2024年7月7日、パリで投票したマクロン大統領と妻のブリジットさん。代表撮影=ロイター

 7日に決選投票が実施されたフランス国民議会(下院、定数577)の総選挙で、野党の左派連合が最大勢力に躍進した。マクロン大統領率いる与党連合との候補者調整が奏功し、議会第1勢力の座が有力視された右翼「国民連合(RN)」を土壇場で失速させる「サプライズ」(仏公共放送)となった。いずれの党も過半数に届かず、政局の混迷が長期化する恐れが強まっている。

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 今回の総選挙は、6月上旬の欧州議会選で、与党連合がRNに大敗を喫したことを受け、マクロン氏が「国民が自分自身と将来の世代のために最も公正な選択をする能力を信じる」と下院を解散したため、実施された。

 仏内務省の確定結果と仏紙ルモンドの集計によると、左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」は下院で最大勢力となる182議席を獲得。与党連合は168議席で、解散前の250議席から大幅に減らした。一方、一時は単独過半数をうかがう勢いと伝えられたRNと右派の共闘勢力は143議席にとどまった。

 仏大統領府によると、与党連合の選挙戦を指揮したアタル首相は8日午前、敗北の責任を取ってマクロン氏に辞任を申し出た。マクロン氏は国の安定のために当面は首相の座にとどまるよう要請したという。

 7日の決選投票は、第1回投…

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