長崎原爆資料館に展示された、長崎型原爆「ファットマン」の模型=2024年3月30日午後4時19分、長崎市平野町、西本秀撮影

 2026年度以降のリニューアルが予定されている長崎原爆資料館について、長崎市は今月、展示更新の基本設計案を明らかにした。映像を使った核実験の疑似体験や、被爆後の復興の様子をAR(拡張現実)で再現するなど、視覚的な効果を活用し、被爆の実情を伝える。今年度中に最終的な基本設計を固める方針という。

 2019年から被爆者団体の代表らでつくる審議会で議論を重ね、今年3月に展示更新の基本計画が固まった。具体化に向けた基本設計では、利用者の視点を取り入れる目的で、小学生や一般市民、留学生らも参加するワークショップを6~8月に開催。出た意見などを踏まえ、11月18日に基本設計の中間報告としてまとめた。

 基本設計案では、原爆投下に至る戦争の歴史や核兵器の開発などを解説するコーナーを大きく見直す。原爆のオブジェを展示する予定で、広島に投下された「リトルボーイ」や、長崎で炸裂(さくれつ)した「ファットマン」を含め、米国がマンハッタン計画で開発を進めた四つの原爆の模型を並べる。

核兵器の恐ろしさを「没入体験」

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