モスクワで2015年5月、新興5カ国(BRICS)の会議でロシアのプーチン大統領(右)を見つめるパトルシェフ国家安全保障会議書記(当時)=ロイター

 ロシアのプーチン大統領は14日、最側近で、重要ポストである国家安全保障会議書記だったパトルシェフ氏を「造船」担当の大統領補佐官に起用するなどの人事を決めた。パトルシェフ氏はプーチン氏と同じく元治安機関出身で、ウクライナ侵攻の決定に大きく影響したとされる。今後も政権内で発言力を維持するのかが注目される。

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 パトルシェフ氏はソ連国家保安委員会(KGB)出身。国家安全保障会議書記を16年間務めるなど政権内で重要な立場にあったが、ショイグ国防相が同書記になるのに伴い解任された。

 造船には軍関連も含まれるが、畑違いの感も強い。ただ、ペスコフ氏は、パトルシェフ氏の職務は「造船が主要な分野の一つになるが、ほかにもあるだろう」と述べた。侵攻に絡む重要任務などを任される可能性もある。

 また、トゥーラ州知事で、プーチン氏の警護官だったデューミン氏が、国防産業などの補佐官に起用された。一時は国防相の有力候補とみられており、新国防相になるベロウソフ氏の後をうかがうことも考えられる。

 一方、ロシア上院は同日までにプーチン氏提案の外相や国防相、治安機関トップに同意し、下院も、ミシュスチン首相が提案したその他の閣僚人事を承認。プーチン氏は閣僚を任命し、初の閣議を開いた。

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