ウクライナ侵攻をめぐるウィトコフ米特使との6日の会談内容について、ロシアのプーチン大統領が精力的に、新興国グループBRICSの首脳らに電話で説明している。迅速な情報共有で関係を重視する姿勢を示すことで、停戦協議をめぐってロシアへの支援を期待する思惑があるとみられる。
- ロシア強気、姿勢軟化の可能性低く 背景に経済回復・新興国の結束
プーチン氏は8日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席やインドのモディ首相、旧ソ連構成国の中央アジア首脳らに電話。前日には南アフリカのラマポーザ大統領にも連絡した。
これに対し、各国首脳は情報の共有に感謝を伝え、外交による解決を支持する考えを示した。中国やブラジルは、ロシア軍が占領したウクライナの領土からの撤退を条件にしない速やかな停戦を訴えており、実質的にロシアの占領を追認する立場を取っている。
ロシアのウシャコフ大統領補佐官は7日、トランプ米大統領が、プーチン氏とウィトコフ氏の会談内容を欧州首脳に伝えたとして、ロシアも最も親密な国々に情報提供すると強調。新興国で結束し、欧米に対抗する姿勢を示していた。
BRICS主要国は、相互関税をめぐってトランプ氏との緊張が高まっている。トランプ氏が、ロシアが8日までに停戦に応じなければ、ロシア産原油の輸入国に「二次関税」をかける意向を示していることも、電話協議をした背景にあるとみられる。