ウクライナ侵攻をめぐり、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ていたロシアのプーチン大統領が2~3日、ICC加盟国のモンゴルに同国の招きを受けて訪れました。モンゴルにはプーチン氏を逮捕する義務があるとされていますが、逮捕状を執行しませんでした。プーチン氏を招待したモンゴルにはどんな事情があったのでしょうか。モンゴルに詳しい高知大地域協働学部の湊邦生教授に聞きました。
- モンゴルはなぜプーチン氏を逮捕しないのか 元ICC裁判官が解説
――この状況でのプーチン氏訪問をどう受け止めましたか。
モンゴルのフレルスフ大統領は昨秋にプーチン氏に訪問を要請していましたが、実際に招いたのは驚きでした。
――なぜ招待することにしたのでしょうか。
私がみる限り、積極的に招いたというよりは招かざるを得なかったと考えるのが合理的かと思います。プーチン氏はハルハ川の戦い(ノモンハン事件)の記念式典には2014年、19年に参加しています。直近では21年12月にフレルスフ氏がロシアを訪問している。外交儀礼上、今度はプーチン氏がモンゴルを訪問する順番でした。
ロシアへの依存
――モンゴルにはプーチン氏を積極的に招く事情はないのでしょうか。
両国の間では、大きな懸案が二つあります。
一つは、モンゴル経由でロシ…