ブラジルで開催中の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で3年ぶりに集合写真が実現し、フランスのマクロン大統領がロシアのラブロフ外相と握手をする場面があった。ウクライナ侵攻後、米欧参加国が集合写真を拒否したとみられていたが、歩み寄った形となった。戦争終結に意欲を示すトランプ次期大統領の影もちらつく。
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米ブルームバーグ通信などによると、首脳らが18日に集合写真を撮影した際、マクロン氏がプーチン大統領に代わって参加したラブロフ氏を見つけて握手したという。
ウクライナ侵攻後の2022年11月にインドネシアで開かれたG20サミットでは慣例の集合写真が見送られた。昨年のインドでのサミットでも集合写真は実現しなかった。
今年の議長国ブラジルは米欧の対ロシア制裁に参加せず、中国とともにロシア軍の即時撤退を含まない和平案を呼びかけている。ロシアとの友好関係を続ける新興・途上国も多いことで、米欧が「歩み寄り」を迫られた可能性もある。
米欧はウクライナ侵攻後、ロシアを厳しく批判。一方的に根拠のない主張を続けるプーチン氏との協議も途絶えた。
ただ、ドイツのショルツ首相が今月、約2年ぶりにプーチン氏と電話協議に踏みきり、今後も連絡をとることで合意した。ドイツとフランスの変化は、戦争終結に意欲を示す米国のトランプ次期大統領を意識した可能性がある。