トランプ米大統領の関税政策をめぐり、政権内でののしり合いが繰り広げられている。トランプ氏の肝いりの「政府効率化省(DOGE)」を率いるイーロン・マスク氏は、トランプ氏に関税の撤回を直訴した。マスク氏が経営するテスラは米中で電気自動車(EV)の生産や販売を手がけ、関税で大きな打撃を受ける。怒りの矛先は、関税政策を担当するピーター・ナバロ大統領上級顧問にも向かった。
「本当にバカだ」「ハーバード大で経済学博士号を取得するのは悪いことだ。結果として、エゴが能力を上回ってしまう」。マスク氏は8日、Xへの投稿でナバロ氏を痛烈に批判した。
伏線は、前日のナバロ氏の発言だ。米CNBCのインタビューで、ナバロ氏はテスラを「自動車メーカーではなく、組み立て屋」と言及。海外から部品を輸入して車体を組み立てているにすぎない、とこき下ろした。そのうえで、「安い外国製部品を欲しがっているのはわかる。だが、我々が望むのは部品を含めた国内生産だ」とも述べ、トランプ政権の目指す「製造業復活」にテスラのビジネスモデルはそぐわないとの見解を示した。
対するマスク氏は「テスラは米国製部品の割合が最も高いメーカーだ」「ナバロはレンガ袋より愚かだ」と反論している。
ホワイトハウスのレビット報…