神奈川県は17日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を松田町の60代女性が発症し、調査の結果、自宅周辺で感染したと推定されると発表した。県内由来の初の確認事例。SFTSは、2013年に海外渡航歴のない感染者が山口県で初確認されて以来、西日本から徐々に感染地域が広がっており、今年4月時点のまとめで東端は静岡県だったという。
女性は6月28日に発熱や下痢などの症状を訴えた後に入院し、県衛生研究所の遺伝子検査でSFTS陽性と確認された。その後、行動歴などを調査していたが、自宅周辺での畑仕事や草むしりの際にマダニにかまれたと推定されるとの結論に至ったという。県によると、重症化して死に至る例が1割以上あり、今年4月末までに国内で117人が亡くなった。松田町の女性は退院し、快方に向かっている。
重症化、死に至ることも
県は、肌を露出しない服装や、かまれた場合はマダニを無理に払おうとせずに医療機関を受診するよう呼びかけている。