(21日、サッカーJ1 横浜F・マリノス0―1ファジアーノ岡山)
横浜マの前線には、昨季までの看板だったアンデルソンロペス、ヤンマテウス、エウベルのブラジル人トリオが今季初めて先発で並んだ。
「彼らの力や練習の姿勢から、この3人なら点が取れると判断した」
18日にパトリック・キスノーボ監督が解任され、暫定的に指揮を執ることになった大島秀夫ヘッドコーチは原点への回帰に踏み切った。
ヤンマテウスのドリブルやエウベルの飛び出しから何度も好機をつくった。アンデルソンロペスを含めて3トップが放ったシュートは計9本。だが、ゴールは遠かった。
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今季、チームのスタイルは揺れに揺れてきた。
開幕から率いたスティーブ・ホーランド元監督は守備に重点を置いた結果、持ち前の得点力が消え、4月に解任された。
ヘッドコーチから昇格したキスノーボ監督は5月途中からロングボールを多用する戦法に転換。2勝したものの、内容で圧倒された試合もあり、一部の選手から不満の声が上がっていた。
2度目の監督退任を経て、選手から「マリノスらしさ」「アタッキングフットボール」という一度消えたフレーズがまた出てくるようになった。戦い方には慣れている半面、スタイルに過剰にこだわれば、目の前の勝ち点からさらに遠ざかるリスクもはらんでいる。
最下位に沈む中、「監督交代」という劇薬を再び投じても敗れた。それでも、アンデルソンロペスは「このようにプレーしていれば、(J2に)絶対落ちない」と言った。打てる手がなくなりつつある中、原点に戻るしか選択肢はない状況だ。
大島ヘッドコーチ(マ) 暫定的に指揮。「プレーの姿勢、やっていることは間違っていない。点を取れなかったことは受け止めて、次に向かいたい」
エウベル(マ) 今季2度目の先発。「やっとスタートが切れた。このサッカーをやることで、この状況から抜け出せる」
木山監督(岡) 4試合ぶりの白星。「今日の試合の意味を全員が感じていた。体を張ってゴールを許さなかったのは我々らしかった」