昨秋開かれた海外大フェア。各ブースには参加者が詰めかけた=2024年9月、東京都港区の広尾学園中学校・高校、同校提供

 埼玉県内にある私立中学校での入試が始まり、首都圏の中学受験シーズンが本格的にスタートした。近年は、海外大との連携や海外大進学の支援を打ち出す中高が広がってきている。円安でも生徒や保護者の海外への関心は高く、費用が抑えられるアジアの大学などと連携する学校も出てきた。

 「先日はイタリアの大学から担当者が来ました。その前はスペイン。アジアも含めて各国から、優秀な生徒を求めて問い合わせが入るようになっています」そう話すのは、広尾学園中学校・高校(東京都)の海外大学担当部長、尾澤章浩さんだ。

海外大フェア 世界の130大学に2000人詰めかける

 インターナショナルコースもある同学園の2023年度卒業生の海外大合格者数は、のべ206人。昨年9月に同学園を会場に開かれた海外大学フェアには、世界から約130の大学が参加し、同学園の生徒だけでなく首都圏のインターナショナルスクール生など約2千人が訪れた。早稲田大、慶応大、上智大、筑波大、九州大など、英語力の高い学生を求める国内大学も約20校参加した。

 「将来を見据えて国際的な視野を広めたい生徒は少なくない。円安の影響もあり、奨学金が得られない場合も想定し、カナダやオーストラリア、ニュージーランド、アジアなどの大学も選択肢として考えるようになっている」と尾澤さんは説明する。

 海外大進学者が多い学校は、首都圏では、渋谷教育学園幕張(千葉市)、同学園渋谷(東京都)、三田国際学園(同)、茗渓学園(茨城県)……。関西ではAICJ(広島県)、洛南(京都府)などだ。

マレーシア、台湾、ニュージーランド…大学進学し他国へ編入も

 新たな海外大との連携や、海外大進学の支援に乗り出す中高もある。

 22年度にマレーシアのテイ…

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