秋田県男鹿市の下水道工事で作業員3人が死亡した事故で、工事を発注した県が、事故当日にマンホール内で作業があることを施工業者から知らされていなかったことがわかった。県が明らかにした。作業員がいるまま下水管の通水テストを実施したことで事故につながった可能性もあるという。
県によると、昨年10月に老朽化した下水管を調査。その際、下水管につないでいるバルブを取り外したうえで、カメラを管の中に挿入し、破損箇所を特定した。調査後、元通りにバルブを取り付けることになっていたという。
県は下水管の交換が終わった今月6日、施工業者に翌7日午前9時半に取り換えた管の通水テストを実施すると通知。予定通り、秋田市内の県施設から遠隔操作で下水管のテストを実施したところ、間もなく作業員1人が倒れ、救助に入った2人も意識を失ったとみられている。
取材に対し、県は「テスト時にマンホール内に人がいるという想定になっていない」と説明。当日も、マンホール内で作業するとの連絡を受けていなかったという。
県警や秋田労働局などによる10日の実況見分で、マンホール内から硫化水素を検知していたことが判明。下水管とバルブをつなぐ周辺から水が噴出していることを目視で確認したという。
こうしたことから、県警などはバルブ周辺から有毒なガスが漏れ出た可能性もあるとみて調べを進める。