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大阪出入国在留管理局=大阪市住之江区、浅倉拓也撮影

 軍事政権による迫害から逃れて来日したミャンマー人の10代の少年が、父親とともに関西空港で入国を拒まれ、大阪出入国在留管理局の施設に収容されていることがわかった。連絡を受けた難民支援団体は25日、「子どもの権利条約等から、未成年者の収容は許されない」として、大阪入管に文書で抗議した。

 大阪の難民支援NPO「RAFIQ」によると、親子はタイを経由して7月6日に関西空港に到着。難民の可能性がある場合などに入管が出す「一時庇護(ひご)上陸許可」を申請したが、16日に却下された。それにより、空港内の宿泊施設から、強制送還処分を受けた人らを収容する入管施設に移された。

 父親はミャンマー国軍関係者だったが、2021年の軍事クーデター以降、国軍に抵抗する市民不服従運動(CDM)に参加したという。父親がRAFIQに提供した軍当局の文書には、父親が懲役刑を受けたと記されている。

 親子は18日に難民認定を申請した。

 大阪入管は「個々の事案についてはコメントを差し控える」としている。

 RAFIQなどによると、入管施設への未成年者の収容については、かつて国内外から批判があったこともあり、この約10年間はほぼ例がなかったという。

 ミャンマーでは軍事クーデター以降、内戦が続いており、国軍による弾圧や徴兵を逃れるため国外をめざす若者らも多い。日本政府は、日本国内にいるミャンマー人に対し、原則として在留期限が切れても引き続き在留や就労を認める措置をとっている。

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