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ガソリンスタンドに集まる二輪車=2025年2月19日、ミャンマー東部ミャワディ、住民男性提供
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 日本人を含む多くの外国人が詐欺などに加担させられていることがわかったミャンマー東部とタイの国境地帯。国際的な犯罪集団の拠点を根絶やしにすべく、タイ政府はこの地区に対する燃料や電気の「越境供給」を停止する決定をした。効果は上がっているのか。

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 タイ政府は詐欺などの犯罪行為を安全保障上の脅威と認定。今月5日、国境地帯に位置するミャンマー側の5地区への電気などの供給を止めた。東部ミャワディやシュエコッコ、タチレクなどの街が含まれる。

 現地報道によると、タイ政府は1996年、タイの地方電力公社によるミャンマー側への電気の供給を認めると閣議で承認。この間、公社は同国側にも電気を売って収益を得てきた。ただ、契約に反したり、国の安全保障に影響を与えたりした場合、公社は供給を止められる仕組みだという。

 タイの国立開発行政研究院(NIDA)が16日発表したタイ国民の世論調査結果では、回答者の70.54%が政府の措置に「強く賛成」と回答。「やや賛成」も合わせると9割を超えた。

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 犯罪組織がSNSなどを使って人びとをだまし、この地域まで連行する際、陸続きのタイは「経由地」として使われる。タイ政府はこうした行為が、国民の約55万7千人に影響を及ぼしていると推定。既に860億バーツ(約3846億円)の損害を受け、今後も1日当たり8千万バーツの損失が出ると見積もる。人身売買や詐欺被害に遭うタイ人も多く、国民の不満の高まりが政府を今回の決定へと追い立てた面もある。

 同様にミャンマーに電気を供給してきた隣国ラオスも、タイの姿勢に追随したようだ。英字メディア「タイ・エンクワイラー」は7日、現地報道を元に、ラオスもタチレクや周辺都市への電力供給を大幅に絞ったと報じた。

ミャワディの住民男性が語った街の現状「車列が……」

 燃料や電気を遮断されたミャ…

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