ミャンマーで全権を握る国軍は7月31日夜、武装勢力の支配地や紛争地に新たな非常事態宣言を発令したと発表した。国軍は同日昼、総選挙に備え、全土を対象とした非常事態宣言を解除したばかりだった。武装勢力の支配が強固な地域に対し、国軍は武力弾圧を強める方針とみられる。
- ミャンマー国軍、非常事態宣言を解除 クーデター4年半、総選挙へ
対象地域は、国軍に抵抗する少数民族や民主派武装勢力が有力な西部ラカイン州や北東部シャン州、北西部ザガイン管区など、全国330郡区のうち63郡区に及ぶ。期間は90日間とした。
国軍は発令の理由について「武装勢力のテロ行為を抑え、法の支配を確保するため」と説明。戒厳令も発令し、各地の司令官に行政権と司法権を委譲した。法的な権限が強化される発令期間中に武装勢力への軍事行動や抑圧を強める狙いとみられ、市民の不当な拘束など弾圧が一層強まる可能性がある。
武装勢力の抵抗抑え込めず
非常事態宣言は、国軍が4年…