草原で子どもたちに本を読み聞かせる学生たち=2016年7月、モンゴル・トゥブ県、ガゼル文庫提供撮影

 モンゴルを訪問中の天皇、皇后両陛下は9日夜、首都ウランバートルの宿泊先のホテルで在留邦人と懇談した。その一人、近彩(こんあや)さん(84)は20年以上にわたり貧困地域の「ゲル地区」や大草原に足を運び、地元の大学生たちと一緒に本の読み聞かせを続けている。両陛下は「こちらでの生活はいかがですか」と近さんに声をかけ、体調を気遣っていた。

 近さんは定年退職を機に、2001年にウランバートルに移住。千葉県の児童館で子どもたちに読み聞かせをしていた経験を生かし、別の日本人らとモンゴルでも読み聞かせを始めた。09年からは移動図書館ガゼル文庫を運営。埼玉県のNGOから図書館の廃棄本を譲り受け、ウランバートルを中心に隔週の土曜日にゲル地区の子ども施設や孤児院などを回っている。

読み聞かせに込めた平和への願い

 一緒に活動しているのが、モ…

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