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 日本郵便は23日、小型荷物の配達委託で協業するヤマト運輸を相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。昨年6月に合意した配達委託の見直しを迫られ、多額の損失が出るとしている。ヤマトが企業間の約束を破るような申し入れに突き進んだ「本当の理由」も見えてきた。

 日本郵便によると、賠償請求額は120億円。昨年6月の合意内容に法的義務があるとの確認を求めたうえで、協業の準備で支出した費用(50億円)や来年2月から1年分の逸失利益(70億円)を算出したとしている。

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日本郵便とヤマト運輸の新たな協業を発表し、日本郵政とヤマトホールディングスの両トップらが並んで撮影に応じた=2023年6月19日、東京都千代田区

 ヤマト運輸は23日、「訴状を見ていないので、現時点でお話はできない」(広報)としている。

 昨年6月の合意で配達委託を決めたのは、メール便と薄型荷物の2種類。ヤマトの既存サービスを終了し、ヤマトが集荷して日本郵便が配達する協業サービスに切り替える計画だった。

 メール便は今年2月に「クロネコゆうメール」への移行が完了。薄型荷物は来年2月に「クロネコゆうパケット」に完全移行とする予定で、数量がとくに多いフリマアプリや東京エリアが残されている。

 ヤマトは11月までに計画の見直しを申し入れた。薄型荷物の完全移行を見合わせ、その後の計画の再協議を求めた。輸送体制を整えて待ち構えていた日本郵便の幹部らは憤怒。フリマアプリ分などの移行はすでに想定より遅れており、計画どおりの受託は難しくなった。

 日本郵政の増田寛也社長は12月18日の記者会見で「社会的な大義を前提によく協議していきたい」と述べたが、提訴の方針を決めたのはその2日後だった。

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