欧州連合(EU)統計局が30日発表したユーロ圏(20カ国)の今年7~9月期の実質域内総生産(GDP、速報値)は、前期比0.4%増だった。年率換算は同1.5%増で、2022年7~9月期以来、2年ぶりの高い伸びになった。
国別では、ユーロ圏最大の経済国ドイツが前期比0・2%増となり、マイナス成長だった前期からプラスに転じた。フランスは0・4%増、スペインは0・8%増だった。フランスではパリ五輪・パラリンピックの特需もあり、家計の消費支出が増えた。
欧州中央銀行(ECB)の利上げでインフレが落ち着く一方、賃上げの動きもあって消費の緩やかな回復が見込まれている。ただ、ドイツでは中国での需要減などを受けて製造業の新規受注が落ち込むなど、景気の先行きには不透明さが強い。(ベルリン=寺西和男)