フランス・パリで開かれている2026年春夏シーズンのパリ・メンズファッションウィーク(パリ・メンズコレクション)。3日目となった26日には、ヨウジヤマモトやイッセイミヤケのブランド「アイムメン」、新デザイナーによるドリス・ヴァン・ノッテンのショーがあった。ヨウジヤマモトの新作には「NO MORE WARS」の文字が描かれた服があり、反戦への祈りが伝わってきた。

ヨウジヤマモト

 定番の黒を基調に、半袖のジャケットとシャツの重ね着スタイルで始まったヨウジヤマモト。やがて白の上着が主となる新作群に移ると、背面には「NO MORE WARS」の文字を施したロングジャケットが登場した。多用した白に、平和への願いを込めているようだった。

ヨウジヤマモト
ヨウジヤマモト

アイムメン

 前シーズンのパリ・メンズでデビューしたイッセイミヤケのブランド「アイムメン」は今季、日本の伝統工芸と融合した新作群を見せた。陶芸家の故加守田章二さんが手がける作品との出合いをきっかけに、「造形的な作品を衣服にして着てみたい」という思いで手がけたという。陶芸作品に見られるうろこのような文様やろくろ目の文様を、多様な織りや先端技術を使ってテキスタイルにして「1枚の布の可能性」を提示した。

アイムメン
アイムメン

ドリス・ヴァン・ノッテン

 創業者の退任から1年。見事な「継承」を見せたのは新デザイナーのジュリアン・クロスナーによるドリス・ヴァン・ノッテンだ。グレーのコートと赤いボクシングシューズのファーストルックから、静かなる情熱を感じさせた。徐々に広がりを見せるカラフルな色使い、ビジューやスパンコールがぎっしり施された刺繡(ししゅう)に加え、スタイリングには若々しい遊び心も。スポーツテイストのカジュアルな装いから、テーラードのフォーマルな装いまで凝縮された充実の新作群に、フィナーレは「ブラボー」の声と喝采がしばらくやまなかった。

ドリス・ヴァン・ノッテン
ドリス・ヴァン・ノッテン

リック・オウエンス

 28日からパリでは初となる回顧展が始まるリック・オウエンスは、いつにも増して壮大な演出で驚かせた。文化施設パレ・ド・トーキョーの屋外にある大きな池の上にキャットウォークとなる舞台を設置。レザーの服をまとったモデルたちは、舞台を上り下りしたり、水の中を歩いたりしてパフォーマンスを行った。

リック・オウエンス

アミリ

 米ロサンゼルス発のアミリはきらめきあふれるジャケットなどテーラード中心の新作群を披露した。ショーには俳優の桜田通さんが来場し、ファッションの魅力について「もっと頑張りたい、色んなことをかなえたいと思う時、素敵な服で身を包むと普段の自分以上の力を出せる」と語っていた。

アミリ

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 朝日新聞デジタルのファッション特設ページ(https://www.asahi.com/special/fashion/)では、各ブランドの新作発表のライブ配信や、関連記事などを掲載します。

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