埼玉県内の男性(46)は昨年10月からライドシェアの運転手として働く。本業はイベント運営などを手がける団体の代表で、時間の融通が利く。高校と専門学校に通う2人の子どもの学費の足しになればと考え、東京都内のタクシー会社に応募した。
平日の午前を中心に、金曜日は夕方と土曜の未明に働き、月に20万円以上を稼ぐ。
他のタクシーが通らないような、駅から離れた住宅地で待ち、利用者が配車アプリで予約すると、迎えに行く。病院に向かう依頼が頻繁にあり、「こんなところまで来てくれてありがとう」と感謝されることも多い。
自家用車を利用して乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」が導入されて8日で1年になります。「すきま時間の有効活用」「効率的に働ける」……。運行管理を担うタクシー会社のサイトには、そんなうたい文句が並ぶが、実際に働く人からはやりがいだけでなく、不満の声も。記事の後半では、課題として残る地方の「足」不足についても考えます。
人の役に立っていると満足す…