(5日、第107回全国高校野球選手権鹿児島大会1回戦 加治木工0―2武岡台)
両チーム無得点で迎えた七回裏、武岡台は2死一塁から長打が出て二、三塁の好機。代打の背番号「16」秋好勇慎選手(3年)が打席に入った。試合中、吉田公一監督から「一番いい場面で使うからな」と言われていた。「来た球を打つだけ」。追い込まれたが、4球目のまっすぐを振り抜くと打球は右翼手の頭上を越えた。決勝点となる2点適時打となった。
新チームで副主将となり、遊撃手のレギュラーとして活躍してきたが、最後の夏は2年生にレギュラーの座を奪われた。悔しい思いをしたが「後輩に任せて、自分は打撃でチームに貢献しよう」。気持ちを切り替え、低めの変化球を見極められるよう選球眼を磨いてきた。
秋好選手は試合後、「代打の切り札として、次もチームに貢献したい」と話した。吉田監督は「打撃は力のある子なので、奮起に期待していた。見事に応えてくれて、監督冥利(みょうり)につきます」とたたえた。