中国上海市で大型テーマパークが相次いで建設されている。来月5日にレゴランドが開業、2年後にはハリー・ポッターをテーマとした施設も完成する見通しだ。日本人に人気のある上海ディズニーランドと合わせ、観光客の呼び込みを狙う。
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市中心部から車で1時間半、金山区に開業するレゴランドが20日、日本メディアに公開された。園内には8500万個を超えるブロックが使われているとされ、西遊記のアトラクションや、万里の長城などの中国の歴史を取り入れた展示を売りものにしている。
入園日により異なる料金は大人319~599元(約6400~1万2100円)という設定。区当局者によると、年300万~500万人の来場を見込んでおり、「他の観光施設との共通チケットなどで魅力を高めたい」と話す。
日本との競合は
昨年11月の短期ビザ免除措置の再開後も「日本人客の戻りは遅い」(旅行大手エイチ・アイ・エス〈HIS〉の担当者)とされる中国だが、同社の今年5月の大型連休の予約者ランキングで、上海は前年比262.3%と伸び率1位になった。ディズニーツアーが好調という。
昨年5月から計7回、上海ディズニーランドを訪れている埼玉県の30代女性は「ビザ申請の手間がなくなって友人を誘いやすくなった。東京よりもキャラクターとの距離感が近く、季節のパレードの回数も多い」と魅力を語る。
これから上海で開業する施設にとっては、レゴランド・ジャパン(名古屋市)など日本の既存施設との差別化が課題だ。HISの担当者は「ディズニーのように世界各地の施設を制覇したいというファン心理は働きにくい」とし、現時点で上海レゴランドを組み入れたツアーは検討していないという。
一方、上海の当局者はディズニーを含めた施設が集中することを強みと捉え、「観光客が2~3泊できるようにし、さらなる消費を促したい」と話す。中国を含めた訪日客を取り込んできた日本の施設から見ると、ライバルが増えることになりそうだ。