レバノンの首都ベイルートなどで17日、イスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーが使うポケットベルのような通信機器が次々に爆発した。ロイター通信は治安当局筋の話として、負傷者が千人を超えたと報じた。また、ヒズボラは「3人が死亡した」と発表した。
ロイターによると、最初の爆発から30分後にも新たな爆発が起き、救急車が行き交い混乱が広がっている。爆発はレバノン南部など各地で起きた。ヒズボラが最近持ち込んだ新型の機器が爆発したという。
地元メディアによると、政府の救急当局は緊急声明を出し「機器を持っていて負傷した人が病院に多数搬送されている」として、全病院に受け入れ態勢を強化するよう指示した。市民には、機器から離れるよう求めた。
イラン政府系のメヘル通信は、レバノンに駐在するイラン大使が爆発で負傷したと報道。イスラエルによるサイバー攻撃との未確認情報がある、と伝えた。
ヒズボラの当局者はロイターに、イスラエルと国境をまたいだ戦闘が続く中で「最大の治安の乱れだ」と語ったという。(イスタンブール=武石英史郎)