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東京都・中野芳夫さん(39)からの質問

 ののちゃん 日本の新しいロケットが今年、2回連続で打ち上げに成功しているね。

 藤原先生 H3(エイチスリー)ロケットだね。宇宙航空研究開発機構(JAXA〈ジャクサ〉)などが約10年かけて開発してきた新型ロケットで、今年2月と7月に打ち上げに成功した。

 のの 打ち上げの瞬間はドキドキしちゃった。でもどうして宇宙に行けるの?

 先生 風船に空気を入れて膨らませて手を離すとどうなる?

 のの 吸い込み口から空気が勢いよく噴き出して飛んでいく。

 先生 ロケットが飛ぶ原理も同じ。高温高圧の燃焼ガスを噴射し、その反動で上昇するよ。大砲を撃つと、飛び出した弾の反対側へ大砲が少し後退するでしょう。これが反動ね。

 のの 燃焼ガスはどう作るの?

 先生 H3は、燃料に液体水素を使う。名前にあるHは水素の元素記号が由来だ。でも水素だけでは燃えない。宇宙には空気がないからね。燃やすための酸化剤として液体酸素を大量に持っていくよ。

 のの ジェット飛行機とは何が違うの?

 先生 推進の原理は同じだけど、ジェット機は酸素を大気中から取り込んでいるから、宇宙を飛ぶことはできないよ。ちなみに、ロケットで最も大きな容積を占めるのが燃料。H3は1段目だけで酸素と水素を200トン以上積む。アフリカゾウ30頭以上の重さの燃料を約5分で燃やし、宇宙に到達する計算だ。

ののちゃんは、朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。聞いてほしい疑問はこちらへ。[email protected]

 のの 日本には小型ロケット…

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