レバノンなどで17日、イスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーらが使っているポケットベルのような通信機器が相次いで爆発した。ヒズボラはイスラエルによる攻撃だと発表。イスラエル側から関与を認める発表はなく、詳細は不明だが、どんな手口で爆発が起きたと考えられるのか。陸上自衛隊の元幹部らは、火薬を事前に仕込んだローテクと、サイバー攻撃で約2800の目標を同時に爆発させるハイテクを組み合わせた「ハイブリッド攻撃」の可能性が高いと指摘する。
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陸自・第1空挺(くうてい)団長を務めた岩村公史元陸将は爆発に使われた火薬について、「(TNT火薬換算で約1.3倍の威力があるといわれる)C4爆薬か、それより高性能で『テロリストのC4』と呼ばれるセムテックス爆薬を使ったのではないか」と推測する。「C4は粘土状のために機器の隙間に詰め込むことが可能だし、衝撃にも強い」と語る。
また、陸自中部方面総監を務めた山下裕貴・千葉科学大客員教授(元陸将)は通信機器で爆発が起きたことに関連し、「携帯電話を使用した爆弾はIED(即席爆弾)としてイラク戦争などで多用された」と語る。携帯電話を使った爆弾の起爆装置に電話をかけて爆発させるしくみだ。2005年6月には、イラク・サマワ郊外で陸自車両を狙った、IEDによる攻撃も起きた。
特定の状況下で爆発をねらったか
一方、元陸上総隊司令官の高…