ローマ教皇庁(バチカン)は23日、容体の悪化で輸血などを受けたフランシスコ教皇について「依然として危険な状態だ」との見解を発表した。呼吸困難の症状は表れていないが、酸素吸入は続いている。薬物治療の効果が出るまでに時間が必要なことから、「予断を許さない状況」が続くとの見通しを示した。
バチカンによると、フランシスコ教皇の呼吸困難の症状は前日の夕方以降おさまっている。輸血を必要とする原因になった血小板の減少も安定しているが、血液検査では軽度の腎不全の兆候が出ているという。バチカンは前日の輸血の効果は得られているとする一方、高流量の酸素吸入は続けていることも明かした。
23日は本来であれば、教皇が日曜正午の祈りで信者らに向けて演説をする日だった。バチカンの発表によると、教皇はこの日午前、入院中の世話をしている人たちと一緒に病院内でミサに参加したという。
同日午後には教皇のX(旧ツイッター)に今月16日以来となる投稿もあった。教皇はメッセージに「私は愛情のこもったメッセージをたくさん受け取っており、特に子どもたちからの手紙や絵に感動しました。世界中から受け取った親密さと、励ましの祈りに感謝します」と記した。