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一人暮らしの部屋に設置されたサウナ室=2024年3月28日、愛知県豊橋市大国町、富岡崇撮影
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 一人暮らしの賃貸物件で、自由に心ゆくまで「ととのい」を味わえたら――。サウナ好きにとって夢のような物件が愛知県豊橋市に生まれた。公共では、まだまだ男性専用サウナも多いなか、男女問わずサウナ好きを魅了する物件だという。

 JR豊橋駅から歩いて約10分の場所にサウナ好きの夢を叶える賃貸マンション「アルフラット大国」(豊橋市大国町)がある。

 3月20日に完成したばかりで全10戸のうち、ワンルームや1LDKなど6戸にサウナが付いている。

 積水ハウスが手がけた。単身赴任者など一人暮らしの顧客にアピールできる要素は何か。その答えが「サウナ」だったという。同社静岡シャーメゾン支店の黒田侑希さんによると、豊橋店のサウナ好き社員らを中心に企画を立ち上げた。

 「ここまでサウナにこだわった物件は全国的に見ても珍しい」とみる黒田さん。

 すでにある物件にサウナ設備を追加したり、増築したりとは異なり、間取りなど設計の段階からサウナを前提とした力の入れようだ。

 サウナ室はエストニア製。フィンランドとならぶ「サウナ大国」だ。2014年にはエストニアの伝統的な「スモークサウナ」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されている。

 スモークサウナは煙突を持たない構造のため、サウナ室内で火をおこし、石を熱すると室内に煙が充満する。サウナに入るときは火を止め、室内の煙を外に出してから入る。石の余熱が残っている間、水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」を楽しむことができる。

すべて数歩以内で完結 こだわった導線

 今回導入されたサウナはコンパクトな日本の賃貸住宅事情に合わせた特別仕様だ。快適さを確保しつつサイズダウンしているという。

 サウナ室の温度は、ストーブの電源を入れて20分ほどで約80度になり、最高110度にまで上がるという。もちろん「ロウリュ」もできる。

 浴槽を水風呂として使うと想定して、一般的な単身者向けの浴室より大きい浴槽を導入したほか、外気浴を行うためのバルコニーも設置している。サウナから数歩あるけばたどり着ける距離の近さ、導線にもこだわった。

 家賃は地区内にある同規模の物件に比べると、約1万5千円高いという。またサウナを1日1時間使用した場合、電気代は月に約5千円ほどかかる。

 それでも黒田さんは「(サウナ好きの)サウナ―が温浴施設に通う頻度を考えれば、十分に魅力的ではないか」と語る。

温浴施設とは異なる「マイサウナ」の魅力

 サウナの輸入・販売を手がけ…

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