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関東第一―創成館 一回裏創成館2死、打席に立つ下川選手=田辺拓也撮影

 (16日、第107回全国高校野球選手権大会3回戦 関東第一3―1創成館)

 【長崎】昨夏の準優勝校である関東第一(東東京)との3回戦。下川輝(ひかり)主将(3年)は打順3番に起用された。初戦と2回戦では6番だったが、甲子園に来てからの好調なバッティングが評価された。

 開幕カードとなった小松大谷(石川)戦。「今日はお前が打つ日だ」。稙田龍生監督に試合前に言われた通り、三回裏の1死満塁の場面で適時打を放ち、勝ち越しの2点をもたらした。2回戦の神村学園(鹿児島)戦では2安打を放った。

 「守り勝つ野球」がモットーの創成館だったが、今年のチームは当初、練習試合などであまり勝てなかった。課題の一つに、ここ一番の時に安打が出ない打線などが挙げられていた。

 それでも今年は、夏の甲子園で2勝できないという歴代チームにとっての壁を突破。「一戦一戦、勝てるチームになっている」。稙田監督も驚くほど、選手たちは成長した。下川主将もそのひとりだった。

 昨年の新チーム発足に合わせ、自ら主将に立候補し、部員たちに選ばれた。自ら率先して道具を片付ける姿勢などが信頼され、周囲からは「ヒカリ」と呼ばれている。

 対戦前夜、下川主将たちは、相手の前回試合の映像を見て、投手の球などを分析。下川主将は「明日は勝つしかない」と呼びかけ、その後は練習場で、ティーバッティングを行った。

 打順3番となったこの日の試合。思うように打てず、試合後に「森下(翔太投手)を援護できなかった」と振り返った。「これまでできなかった2勝はできた。後輩たちには、果たせなかった8強をめざしてほしい」

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