2025年大阪・関西万博に子どもを無料で招待する事業をめぐり、奈良県は9日、県内の小中高校などへの意向調査の結果を発表した。「利用する予定」は31%、「利用しない」は18%で、「検討中」が51%に上った。
県は、小中高、特別支援学校などの児童・生徒が学校行事として万博会場を訪れる場合に、1回分の入場料を補助する方針を掲げている。
県によると、8~9月に実施した学校への調査には、対象の363校のうち281校が回答。回答率は約77%となった。
「利用しない」と答えた学校に、その理由をたずねる項目(複数回答可)では、28校が「(校外学習などを)万博以外の場所で決めている・調整している」で最も多く、「引率面で不安がある」(24校)、「会場アクセスに不安」(21校)、「安全面で不安がある」(14校)などが続いた。
山下真知事はこの日の定例記者会見で、今後、モデルコースが示されたり、交通手段の確保といった条件が整ったりすれば「先生の不安も払拭(ふっしょく)され、参加する学校も増えるのでは」との見方を示した。
近畿の各府県も、子どもの「無料招待」の実施に向け、準備を進めている。
滋賀県が9月に結果をまとめた県内各校に具体的な意向を尋ねた調査は回答率63%で、「参加希望」が21%、「希望しない」が79%だった。兵庫県が今月2日に公表した調査結果では、回答率が74%で、「参加希望」が28%、「希望しない」が59%だった。(机美鈴)