大阪・関西万博では、車いすユーザーが案内役を務めるパビリオンがある。科学や芸術といった分野を横断して創造的な遊びを体験できる「いのちの遊び場 クラゲ館」。障害があっても隔たりなく働けるということを、スタッフらが体現している。
「何かお困りですか」
車いすに乗る岩野博さん(61)は、キョロキョロする来場者にさりげなく声をかけた。混雑するエレベーター付近では「前にお進みください」と誘導し、見学した小学生グループを笑顔で見送った。
高校生のとき、バイク事故で下半身不随に。車いすバスケットボールの選手として長く活躍し、パラリンピックに3大会連続で出場した。昨夏のパリ・パラリンピックでは女子日本代表のヘッドコーチを務めた。
クラゲ館の運営に関わる知人…