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大阪・関西万博の大屋根リング=大阪市此花区、朝日放送テレビヘリから、小杉豊和撮影

 大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の1周2キロのうち、200メートルを残す方針となった。だが、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)が大阪府・大阪市に呼びかけている、万博の博物館・記念館をつくる構想は宙に浮いたままだ。

 松本氏は17日の会見で「言い続けますよ、言い続ける」「やらんのだったらいい、その代わり、府市の言うことには協力せんぞということになりますよ。そのぐらい言わないと動かない」と構想の実現を強く迫った。今回の万博を後世に伝えるため、残したリングの近くに博物館・記念館を建設するという構想だ。

 この会見の前日の16日、リングを一部残し、その周りの敷地(約3.3ヘクタール)を公園・緑地とする方針が固まった。決めたのは「大屋根リングの活用に関する検討会」で、メンバーはリングを建てた日本国際博覧会協会と、会場建設費2350億円を3分の1ずつ負担した国、大阪府市、経済界の代表者たち。5月から4回目の検討会で合意にこぎつけた。

 合意した方針は、会場である埋め立て地を持つ大阪市が協会からリングを譲り受け、今と同じく上を歩けるように補修工事をして、周りを公園にするというものだ。補修と10年間の維持費で約55億~90億円かかるとした。

 松本氏は6月の検討会で、博物館の構想を大阪府市に持ちかけ、さらに16日の検討会でも構想の実現を呼びかけた。だが、松本氏によれば大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長とも「(やりましょうとは)言わない。カネかかるから」。逆に反対もされなかったという。

 松本氏が博物館を求める理由…

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