九回表に適時打を放った都城泉ケ丘の戸高悠斗捕手

(7日、第107回全国高校野球選手権宮崎大会1回戦 都城泉ケ丘6―8宮崎農) 

 4点を追う九回表、都城泉ケ丘は連打や四球、犠飛で1点を返した。2死となったがなおも一、三塁と好機が続く中、戸高悠斗捕手(3年)が打席に入った。

 2ボールとなり、1球見ようかと考えたが「四番打者らしく思い切りいこう」と切り替えて、内角高めの直球を振り抜いた。左翼前に落ちる適時打となり、2点差にまで追い上げた。

 このチームは、戸高捕手たち3年生部員が特別に深い絆で結ばれている。2年生だった昨年の春、上級生部員がいなくなった。練習の方法も試合での勝ち方も十分に引き継がれていないままで、戸高捕手たちが試行錯誤を重ねて、築いていったチームだった。

 この試合では六回裏までに7点差をつけられ、コールドゲームの手前まで追い詰められた。だが七回表1死走者無しから4点を返すと、九回にも粘りを見せた。

 惜しくも及ばなかったが「個性が強くて、優しくて、格好良くて」と大好きな仲間たちと、勝利を絶対にあきらめない野球を夏の舞台に刻んでいった。

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