サクランボの収穫量が激減したことを受け、山形県は8日、初めてとなる「山形さくらんぼ産地再生会議」を開いた。生産者や農協、産地の自治体の代表が、「さくらんぼ県」を将来も維持していくための方策を話し合った。
全国の生産量の7割を占める県産サクランボだが、今年の収穫量は8500トン程度で平成以降で最低の見通し。昨年(8590トン)に続く凶作となった。
特に主力品種の佐藤錦が不調だった。開花期に強風や降雨、低温が続き、受粉に必要な蜂が飛べなかったため、実がつかなかった。さらに、ついた実も雨で割れたり、高温でやわらかくなったりした。
この日の議論の中心になったのが「佐藤錦からの脱却」だ。1988年に品種別生産量で缶詰用のナポレオンを抜いて以来、「サクランボの王様」の地位を築いてきたが、高温や降雨に弱く、単独品種同士では結実に必要な受粉ができない。
参加者は「気候変動で今後も高温が予想される中、生産が不安定な佐藤錦からの品種転換を進める必要がある」との意見で一致した。
県は「紅秀峰」や「やまがた紅王」の栽培面積を増やし、10年後の2035年には佐藤錦の割合を現在の68%から50%に減らす目標を掲げた。
紅秀峰は佐藤錦の子、やまが…