改正不動産登記法で今年4月から土地や建物の登記が義務化されながら、北方領土については、法務省が「申請しなくても義務違反にはならない」との見解をまとめたことがわかった。北方領土では土地・建物の登記事務がなされず、元島民は子孫に不動産を引き継げない状態が続いている。
「うちの土地はどうなるのか」。法改正を知った元島民2世の高橋洋一さん(63)=北海道帯広市=は、択捉島にある祖父と曽祖父の土地と建物を思い浮かべた。元島民の母高橋栄子さん(89)が、戦前択捉島で登記されてそのままになっている父と祖父の土地・建物を引き継ぐはずだった。
洋一さんが交流事業で択捉島…