国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは8日、2024年に世界で執行された死刑が少なくとも1518件あり、前年から32%増えたと公表した。中東3カ国での増加が影響した一方、執行国の数は15カ国で過去最低の水準を維持した。昨年再審で無罪が確定した袴田巌さんへの言及もあった。
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同団体が公表した年次報告書によると、執行数は上位から中国、イラン、サウジアラビア、イラク、イエメン。「数千件」の中国は依然として「世界最大の執行国」と指摘した。ただ中国や北朝鮮、ベトナムなど、執行数を公表していない国の執行数は推定のため、合計には2件としか反映されていない。そのため、イラン、サウジアラビア、イラクで全体の91%を占めた。
中国やイラン、サウジアラビアなどでは薬物関連の犯罪に死刑が適用されることがあり、世界全体の執行数の42%を占めた。国際人権規約が死刑を「最も重大な犯罪に限る」と定めていることから、同団体は「国際法違反だ」と批判した。日本を含む複数の国で精神障害や知的障害がある人が死刑判決を受けたことも国際法違反に当たるとしている。
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