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JR東海が報道陣に公開した試験装置。さまざまな走行パターンを再現し、燃料電池の性能を調べている=2023年12月18日、愛知県小牧市、内藤尚志撮影
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 2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)に向けて、自動車用だった「水素エンジン」を鉄道にも使う。そんな試みに、JR東海が挑んでいる。実現すれば、世界初になるという。ほかに先行して開発が進む環境技術があるなかで、なぜ難路を行くのか。

 名古屋駅から車で高速道路を使って1時間弱。人里から離れた森の奥に、JR東海の研究施設(愛知県小牧市)がある。この一角で、水素を活用した環境技術の開発が進む。

 「加速します」「ノッチオフ」――。研究員がモニターの数値を確認しながら、同僚に声をかける。視線の先にあるのは、遠隔操作する巨大な試験装置だ。鉄道車両の車輪をレールを模した特殊な設備の上で回転させ、さまざまな走行パターンを再現している。

 車輪の動力源は、水素を取りこんで二酸化炭素(CO2)を出さずに電気を生む「燃料電池」だ。性能を調べて、鉄道車両に使えるのか見極めようとしている。この試験の対象に、水素を燃やして動かすエンジンを今年度中にも加える。

 どちらも実際に現場で使われ…

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