6月30日、ハワイのオアフ島で部分的に再開された鉄道システム「スカイライン」のホームに集まる人々。
2023年7月10日 6:00(日本時間)
ホノルル — コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて観光産業が回復を続ける中、ハワイのコミュニティはいわゆるオーバーツーリズムの抑制を目的とした対策を検討している。
現在、2023年の米国州の観光客数は過去最高に匹敵するペースで進んでいる。 人口が約140万人であるハワイとは対照的に、パンデミック以前は通常、毎年約1,000万人の観光客が訪れていた。
しかし、パンデミック下の2020年の訪問者数は約270万人に急減し、2019年に列島を訪れた過去最高の1040万人から70%以上減少した。しかしながら、その数字は2022年までに約920万人に回復した。そして今年1月から5月までは2019年の同時期に記録された水準に近かった。
ハワイ大学の調査によると、パンデミック中に閉鎖された人気の観光地であるハナウマ湾の2018年3月から12月の海水の透明度は、新型コロナウイルス感染症以前と比べて約60%改善した。
サンゴ礁の生態系にも改善が見られました。 しかし、観光客の増加で環境が再び悪化するのではないかと地元住民の間で懸念が高まっている。
訪問者数を制限し、環境への負担を軽減することを期待して、当局は2021年4月にハナウマ湾に、2022年5月にダイヤモンドヘッド州立記念碑に予約システムを導入した。
さらに、水生哺乳類を保護する取り組みの一環として、ハワイ周辺海域でハシナガイルカから45メートル以内で泳ぐことは2021年から禁止された。
交通渋滞を緩和する取り組みも進んでいる。 6月30日、オアフ島で約75年ぶりにスカイライン鉄道システムの一部が運行を開始した。 建設費が高額になるなど課題も指摘されているが、脱炭素化への貢献が期待されている。
今年初め、州観光局の解体・再編を目的とした法案がハワイ州議会に提出された。 この法案は観光ではなく、環境保全の促進策に重点を置いている。 しかし、州議会は6月にこの法案を可決しなかったが、廃止もしなかった。
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観光関連経済学の専門家である東京女子大学教授の矢ヶ崎紀子氏は、ハワイは「環境保護主義の面で世界をリードしている」と述べた。
今後は課税強化などさらなる規制の展開が注目されそうだ。