中国の裁判所に掲げられた記章=2025年7月3日、北京市昌平区、畑宗太郎撮影

 スパイ容疑などで2023年3月に北京で拘束されたアステラス製薬の男性社員に対し、北京市第2中級人民法院(地裁に相当)が16日に判決を言い渡すと、中国側が日本側に伝えた。日中関係筋が明らかにした。

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 関係筋によると、9日に中国の司法当局から北京の日本大使館に連絡があった。判決公判は大使館員が傍聴する。6月下旬の領事面会では、男性に健康上の大きな問題はなかったという。

 男性は23年3月、中国での駐在任期を終えて帰国する直前に拘束され、昨年8月に起訴された。スパイ罪が認定された場合の法定刑は、3年から無期の拘禁刑。

 具体的な起訴内容は明らかになっておらず、取り締まりの不透明さが中国とのビジネスに関わる邦人に不安を与えている。日中関係は全体として回復の兆しがみられる中、判決の量刑や内容次第では経済関係に悪影響を及ぼす恐れもある。

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