太平洋とインド洋を結ぶ要衝、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)。この広大な地域を中心に、米中や日本など多様な思惑を背負う国々がせめぎ合う。1日の演説や議論では、いまの国際情勢を映し出す応酬が続いた。
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「フィリピン国民が(相手の)故意の行為によって死亡すれば、それは戦争に極めて近い」
フィリピンのマルコス大統領は5月31日夜の基調講演で、強い言葉で中国に警告を発した。南シナ海の領有権をめぐって、フィリピンは中国と海上で一触即発の局面が続いている。
マルコス氏は相互防衛条約を結ぶ米国とも同じ基準を持っているはずだとし、共同で反撃する可能性まで示唆。仮に中国側の攻撃で死者が出れば、「ルビコン川を渡ったことになる。間違いなくレッドラインだ」とも発言した。
こうした強い発言に対し、会…