Smiley face

 中国の広東省珠海市で12日、「第15回中国国際航空宇宙博覧会」が始まり、8年ぶりに新たな中国のステルス戦闘機が公開された。艦載機としての運用を見据えた戦闘機や大型ドローン(無人機)も披露され、台湾海峡でせめぎ合う米国や台湾への牽制(けんせい)を強く打ち出す内容となった。

  • 羽ばたく鳥が監視ドローン? 犬、エイ…軍事利用進む動物型ロボット

 開幕式の航空ショー。ステルス戦闘機「殲20」が15分間の編隊飛行を終えて着陸した後、遠くから雲をつんざくように1機の機体が現れた。

写真・図版
中国・広東省珠海の航空ショーで12日、初めて公開された新型のステルス戦闘機「殲35」=2024年11月12日、小早川遥平撮影

 「殲35だ!」。何人かの観客が声を上げたとき、小さなその機体はそり上がるように一気に高度を上げ、薄い雲の先に消えた。「そう簡単に全貌(ぜんぼう)は明かさない」。そう言わんばかりのデモ飛行だった。

 原則隔年で開かれる中国最大の航空ショーで、17日までの期間中、中国空軍の36種類の装備を中心に、各国の宇宙航空関連の製品やサービスが展示される。

 殲35は、2016年の同博覧会で初飛行した殲20に続く、新たな中国のステルス戦闘機として注目されている。国営中央テレビ(CCTV)は中国空軍のステルス戦闘機が2機種となり、「米空軍の態勢に並んだ」と伝えている。

写真・図版
中国・広東省珠海の航空ショーで12日、展示飛行を終えて着陸したステルス戦闘機「殲20」=2024年11月12日、小早川遥平撮影

 CCTVは軍事専門家の話として、大型の殲20がまず制空権を奪い、その後に殲35が地上や海上への攻撃を担うと役割の違いを紹介。殲35は将来的に空母に搭載することで、空と海での作戦能力が向上するとしている。

今回の博覧会では戦闘機だけではなく、新型のドローンも登場しました。記事の後半では防衛研究所の専門家の見解や展示機の写真も交えて、中国の狙いを読み解きます。

最新空母に搭載も

 今年は初めて中国海軍の戦闘…

共有