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2024年7月18日に閉幕した中国共産党の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で演説する習近平国家主席=新華社
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 18日に北京で閉幕した中国共産党の中央委員会第3回全体会議(3中全会)がどんなものになるか。閉幕前から真っ二つの見方がなされてきた。

  • 中国共産党「3中全会」閉幕 不動産や地方債務が「重要なリスク」

 一つは、主に国外からの懐疑の目線だ。中国経済は不動産不況が波及した深刻な停滞を迎えているようにみえる。不動産そのものに加え、地方財政の深刻な債務問題、若者の失業問題に対処するすべがあるのか。さらに未来を考えれば、他国以上のスピードで進む少子高齢化の問題がのしかかる。こうした難題への答えを、「抜本的な経済改革には消極的」とも映る今の政権が示すことは期待薄ではないかとの論調が強かった。

 もう一つは、中国国内で進む、習近平(シーチンピン)氏による改革を声高にうたう論調だ。国営新華社通信は「改革家・習近平」という長文の原稿を配信し、「習総書記は鄧小平氏に続くもう一人の卓越した改革家と言われる」とした。習氏が最高指導者になった2012年からの全ての党・政府による改革を並べ立てて、習氏の功績を持ち上げる報道も目立つ。

 18日に公表された3中全会のコミュニケ(声明)をめぐっても、こうした二つの見方がぶつかり合う。コミュニケは、「改革の全面的深化をさらに進め、中国式現代化を推進することに関する党中央の決定」を要約している。「中国式現代化」は、習氏が異例となる3期目への続投を決めた22年の党大会で強調したキーワードだ。指導部は、その実現に向けて「29年までに実施する」と位置づけた改革の数々を勇ましい言葉で並べた。「改革」の言葉はコミュニケに53度、登場した。

 ただ、それは、目下の課題に対処できると約束するものではない。コミュニケは不動産と地方政府の債務、中小金融機関などの「重要分野のリスク」の対処に「それぞれ措置をとる」とはしたが、具体的な抜本策を打ち出したわけではない。中国経済への懸念が払拭(ふっしょく)されるには、ほど遠い。

真っ二つの評価、源流にある3中全会の歴史

 国内では今後、会議を高く評…

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