中国共産党の幹部や引退した長老らが河北省の避暑地に非公式に集まって重要課題を話し合う「北戴河会議」が、始まった模様だ。関税をめぐって対立する米トランプ政権への対応などについて協議するとみられる。
- トランプ関税が反転させたグローバル化 「協調的な保護主義」の道は
中国国営新華社通信は3日、党序列5位の蔡奇(ツァイチー)・政治局常務委員が同省の北戴河で、ハイテクや社会科学など各分野の専門家と面会したと報じた。習近平(シーチンピン)国家主席を含むその他の幹部も集結しているとみられる。国営メディアでは7月末を最後に習氏の外交活動などの動静を伝えていない。
中国は「トランプ関税」をめぐる米国との貿易問題で着地点を見いだせていない。長引く不動産不況や若者の失業率の高止まりなどの問題も抱える。10月には、来年からの経済発展の方向性を示す新しい5カ年計画を議論する中央委員会第4回全体会議(4中全会)も開かれる。これを前にした北戴河会議では経済面の課題や対策について意見を交わすことになりそうだ。
また、軍幹部などの重要人事が議題に上る可能性もある。習指導部は6月に苗華・中央軍事委員会委員を解任。制服組ナンバー2の何衛東・同委員会副主席も3月中旬から消息が途絶え、失脚したとの見方が強まっている。